教えて寿理さん漢方のすすめ
「冷え」は万病の元 冷え性にご用心!! 
病気予防を第一に考える中医学 女性に多い『冷え性』

 昔から東洋には先祖代々受け継がれてきた家庭医学の知識が豊富にありました。その伝承的な知識は「中医学」と呼ばれ、理論と実践のバランスがとれた医学として育っています。中医学には、西洋医学にはない「病気の予防」というものを第一に考える思想があり、そのための生活改善や体質改善に努力してきた長い歴史があります。
 冷え性は病気としてとらえられてはいませんが、東洋医学では万病の元になる症状の一つとして重要視しています。女性は男性よりも筋肉が少なく、水仕事も多いため冷えやすいといえます。
血液不足から血流障害を招く『冷え』 怖い婦人科系トラブルの原因にも

 また、体を温めるのは血液です。毎月生理があり女性にとっては、血液は慢性的に不足状態にあります。この体質を「血虚(けっきょ)」といいます。貧血とは違い、赤血球の量でみるのではなく、立ちくらみや肌の乾燥、髪のぱさつきや爪が割れる、眠りが浅い、生理の経血の量が少ない、などの症状で判断していきます。
 血液の不足は血流障害を招き、生理痛や生理不順、不妊症など、あらゆる婦人科のトラブルにも繋がります。自分で「冷える」と自覚している方は積極的に温めようとしますが、自分で自覚していない「隠れ冷え性」の方が多いのをご存じですか? 血流が悪いと、下半身が冷えて上半身がのぼせたようになる、『冷えのぼせ』という現象がおきます。昔のお風呂のようなもので、冷たい水は下へ、あたたかいお湯は上にたまるため、かきまぜて均一にしてあげる必要があります。血行不良タイプに多くみられ、上半身がのぼせたように感じるので、冷え性という自覚がなく、熱いからと冷たいものを飲んでしまい、ますます内臓が冷えていくという悪循環に陥ってしまうのです。
 血を補う食べ物、例えばなつめ、人参、ほうれん草、レバー、トマト、黒きくらげ、黒ゴマ、牡蠣などや、体を温める生姜やシナモンなどを積極的に摂りましょう。冷え性にもかかわらずアイスや、冷蔵庫から出してすぐの冷たい飲食物を口にしたり、薄着や肌を出した服装は避けましょう。

【中村寿理プロフィール】
なかむらじゅり/国際中医専門員、漢方薬・生薬認定薬剤師、日本中医薬研究会会員。新聞、ラジオなどのメディアでコラムやレギュラー番組を担当し、カルチャー教室や講演会講師も務めるなどマルチに活躍する女性薬剤師。津幡町加賀爪のブヘサ中村固腸堂に勤務。