丈夫がいいね
(2319)ビタミンD 牛乳、小魚と一緒に摂取 魚の肝やキノコで補給
 体をつくり、活動するためには炭水化物と脂質、タンパク質が必要である。しかしこの三要素だけでは人間は生きていけない。塩や亜鉛、マグネシウムなど「ミネラル」に加え、「ビタミン」も体に欠かせない物質だ。特に冬場に不足しがちなのがビタミンDで、欠乏すると骨がもろくなってしまう。
 加賀地区に住む70代の女性は雪の積もった道を歩いていて転んだ。痛くて歩けず、運ばれた病院で大腿骨が折れていると診断された上に、骨がもろくなる骨軟化症の可能性があるとされた。「カルシウムを取るために牛乳は飲んでいたんやけど」。医師からはカルシウムとともに、ビタミンDも忘れず取るよう促された。
カルシウム吸収を促進

 体内のビタミンDは、カルシウムやリンが腸管や腎臓で吸収されることを促す役割を持っている。このため、ビタミンDが不足すると、せっかくカルシウムの多い牛乳や小魚を食べても期待通りに骨がつくられなくなる。
 「日本人はビタミンDが不足しがちとされる。特に冬場の北陸の人は、さらに足りない可能性がある」。金大附属病院内分泌・代謝内科の金森岳広医師は説明する。
 なぜ、冬場に不足するのか。それは日光が関係するからだ。ビタミンDは食べ物から吸収するほか、体内でもつくられている。コレステロールを基に、紫外線に当たることで、皮膚でつくられる。冬は日本海側では日照時間が短い上に、雪や雨の天気が続くために、日光に当たる機会が減ってしまう。
 金森医師によると、新潟県内で行われた過去の調査では、晩冬から春先の血液中のビタミンD濃度は晩夏から初秋と比べておよそ7、8割になっていたという。
 ビタミンDの欠乏が要因の一つになる病気は、冒頭の女性のように成人では「骨軟化症」、子どもでも骨が柔らかくなってしまう「くる病」がある。さらに、金森医師は「ビタミンDが足りないと、筋肉の動きも悪くなり、転倒などのリスクが高まるとの指摘がある」と注意を促す。
 ではビタミンDはどんな食材に入っているのだろうか。代表格の一つは「あん肝」などに代表される魚の肝臓。肝油にもビタミンDが含まれている。このほか、キクラゲなどキノコ類にも含まれている。
取りすぎで不整脈

 一方、他の物質と同様にビタミンDも取りすぎればリスクを生じる。高カルシウム血症は過剰なビタミンDでカルシウムの吸収が行き過ぎ、血液中のカルシウム濃度が異常なほど高くなった状態だ。血中のカルシウムが高くなることで、不整脈を起こしたり、腎臓の働きを悪くしたりすることもある。
 足りなくても、取りすぎても不健康を招く三つの栄養素とビタミン、ミネラル。金森医師は「必要量には個人差があり、『これを食べれば、大丈夫』という食材もない。だからこそ、それぞれに自分の食事を見つめ直し、バランスを心掛けることが大切になる」と語る。栄養は体の基。十分に気に掛けるようにしたい。