丈夫がいいね
(2231)血管性紫斑病 強い腹痛、脚や尻にあざ 手洗い、うがいでリスク減
 子どものすねやお尻に、赤や紫色のブツブツができることがある。それは、血管炎の一つである「血管性紫斑(しはん)病」の症状である紫斑かもしれない。この病気は激しい腹痛を引き起こし、小腸に穴を空けてしまうようなこともあるので、特に子どもがいる家庭では注意したい病気だ。
 血管性紫斑病は5歳前後で発症することが多く、主な症状は三つある。長さ数ミリから1センチほどの紫斑が出ることと、激しい腹痛に加えて、膝や足首の関節痛だ。金大附属病院小児科の清水正樹講師は「紫斑が出たら、診断のためにまず受診してほしい。血管性紫斑病の場合は、紫斑が出るだけならば安静にすればよいでしょう。しかし、激しい腹痛や関節痛がある場合は治療が必要です」と話す。
血管炎の証拠

血管性紫斑病の特徴を説明する清水講師=金大附属病院  血管性紫斑病の紫斑は、毛細血管などの細い血管で炎症が起き、血管が破れてできる内出血による斑点だ。脚では重力に逆らって心臓に戻ろうとする血液がたまることが多く、お尻は座った時に体重がかかって、いずれも血管が破れやすくなる。このため、脚とお尻に紫斑が現れやすい。
 炎症を起こす原因は、まだよく分かっていないが、本来は細菌やウイルスなどと戦う働きを持つ抗体が異常に増えてしまうこととみられている。この抗体が血管壁で炎症を起こし、紫斑を作る。紫斑は血管炎の証拠なのだ。
 炎症は小腸や腎臓の細い血管で起こりやすく、小腸では腹痛の原因となるし、腎臓なら腎炎を起こし、ひどい場合はネフローゼや腎不全になってしまう可能性もある。腹痛は8割の患者に現れ、虫垂炎と間違われることもあるほど痛がる子どもが少なくない。
 紫斑病の子どもが腹痛などを訴えれば、ステロイドによる治療を受ける。激しい腹痛によって食事ができず、入院しなければならないことも多いが、治療を受ければ大半は1〜2週間ほどで回復する。
感染症がきっかけ

 これまでに紹介した血管炎である高安動脈炎や巨細胞性動脈炎、ANCA(アンカ)関連血管炎は有効な予防法は知られていない。同じ血管炎である血管性紫斑病も、やはり、予防は難しいのだろうか。
 「血管性紫斑病は感染症をきっかけとして発症することが多く、また、再発も多い。再発を予防するためにも手洗いやうがい、マスクを着けるなど、感染症に気をつけることが重要です」と清水講師は説明する。
 なぜ、手洗いやうがいという、ありふれた風邪対策が効果的なのだろうか。清水講師によると、血管性紫斑病の患者では、血管に炎症を起こす抗体が、溶連菌やマイコプラズマなど、子どもがよくかかる感染症をきっかけに異常に増えてしまう。抗体の働きによって、これらの原因菌が体内から排除された後、増えてしまった抗体はうまく処理されず、血管の壁に沈着して悪さをしてしまう。これが、血管性紫斑病なのだ。
 だから、感染症の予防策を徹底すれば、血管性紫斑病にも効果があると言える。
 紫斑病の特徴は紫斑そのもので、小児科医は紫斑を見れば診断しやすい。子どもは腹痛や関節痛があっても、正確にその症状を言葉にできないこともある。そんな時に、家族が脚やお尻にある紫斑を見つけておけば診断に役立つ。日頃から子どもの体をよく観察しておくことも心掛けておこう。(第67部おわり)