丈夫がいいね
(2245)支援施設 社会復帰へ通所で訓練 生活に役立つ知識も学ぶ
 アルコールやギャンブル依存症の治療が一段落しても、仕事に復帰するには、まだ心身が十分に回復していない。そういう人を支援している施設がある。金沢市間明1丁目の通所型自立訓練施設「マインド」だ。
 マインドは一般社団法人「セルフリカバリー」(同市)が運営する。週6日、午前10時〜午後4時にオープンし、自宅までの送迎があるので回復プログラムを受けやすい。利用者はアルコールやギャンブルなどの依存症の当事者が中心で、見学した日は20〜70代の男女14人が訪れていた。
感情を整理する

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依存症からの回復を目指す利用者=金沢市間明町1丁目の「マインド」  利用者は、医師から指導を受けた精神保健福祉士や看護師らの支援を受け、主に「依存症回復プログラム」と「生活訓練」、「趣味・レクリエーションなどの一般活動」の3分野のメニューに取り組む。
 まずは依存症回復プログラムだ。医療機関で治療を受けても依存症からの回復は容易ではなく、その途上にある利用者を後押しすることが目的である。
 この日は、「12ステップ」と呼ばれる依存症回復プログラムを応用した教材を使って行われていた。精神保健福祉士が進行役を務め、利用者は「依存症に対して無力であり、思い通りに生活できないことを認める」をテーマに体験談や感想を話し合う。アルコール依存症の男性は「自分で飲酒をやめられない。ようやく自分が依存症だと認められたことから治療が始まった」と語った。こうして感情を整理して依存症を克服していくのだ。
 次に生活訓練だ。社会生活に復帰した際に役立つ知識や振る舞い方を具体的に学ぶ。
 例えば、アルコール依存症患者が勤務先の上司から飲みに誘われた時にどうするのか、自分たちで考える。利用者が上司役などを演じるロールプレイング形式で行われ、利用者が「誘っていただけるのはうれしいが、酒は苦手なんです」などと上手に断る方法などを身に付ける。金銭管理が苦手な人は、家計簿をつけて無駄遣いをしないよう意識していく。
趣味を見つける

 趣味・レクリエーションなどの一般活動の目的は、息抜きではない。趣味など打ち込めることを見つけることである。
 依存症患者は、日常のストレスをうまく発散できずに、飲酒やギャンブルにのめり込んでいく。趣味でストレスを解消できれば、依存症になりにくいのだ。マインドでは、カラオケや映画鑑賞、書道などのほか、農作業で収穫の喜びを知ったり、ボランティア活動をしたりすることもある。掃除や昼食の調理も利用者が行う。
 マインドの利用料は、依存症と診断された人の場合は自治体の福祉サービスを利用できるため、自己負担は1カ月当たり数千〜2万円ほどで済む。期間は最長で2年間となる。セルフリカバリーの猪本光寛代表理事は「1年間たてば、依存症が明らかに改善する人が多い」と話す。
 依存症は薬物治療や手術で直ちに治る病気ではなく、回復することは簡単ではない。だからこそ、医師ら医療職に加え、ソーシャルワーカー、自助グループ、支援施設などとうまく付き合い、息長く取り組むことが大切だろう。
(第68部おわり)